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ツバメ(2)

萌黄野の 青空に舞う ツバクラメ   虚心

ツバメ


 3月29日、気象庁前の内堀でツバメを見ました。翌日の30日には住まいのある高尾山麓でも見ることができました。31日には相模湖の発電所のところで見ました。ツバメがくるともう間違いなく春です。陽気に誘われて桜や萌黄の野山にカメラを向けました。
 事務所は気象庁近くの神田錦町3丁目にあり、皇居の内堀は野鳥観察のいいスポットです。3月29日には小雨に煙る堀の上空をツバメが飛んでいたのです。鴨たちの姿はまだあるのですが、ツバメの季節が到来しているのです。東京ではツバメを見ることが滅多にないのですが、皇居の堀のまわりにはツバメがいたのです。
 ツバメは7種類ありますが、関東地方ではツバメ、イワツバメ、コシアカツバメ、アマツバメの4種のようです。ここで扱っているのは一番よく見られる喉の赤いツバメです。イワツバメは山岳部に多く、山荘の軒下などに巣を掛けます。
 民家の軒下に巣を掛けるツバメは9月末頃に南に旅発つまでに1番巣、2番巣のあわせて2度ヒナを孵します。ある調査では2回で8〜7羽のヒナを育てることがわかりました。こんなにヒナを育てたらツバメが増えすぎる勘定になるのですが、そのようにはなっていません。渡りの途中その他で淘汰されているのでしょう。ツバメの故郷は日本です。日本には1県平均11万羽のツバメが渡来することになっております。5万5千組のつがいはあわせて47万8千5百羽の子を育てて、あわせて58万8千5百羽で南に渡るのです。
 ツバメは昆虫を飛びながら補食します。1羽で1日に少なくとも100尾を摂りますから、昆虫がそこそこ上空に舞っていなくてはツバメは暮らせないのです。ビルの乱立する都心部にはツバメはいませんが、皇居の堀の周りは特別な場所だったのです。このツバメたちはどこに巣を掛けるのでしょうか。
 空を見上げてください。ツバメが飛んでいるかも知れないのです。地上を見るのもいいですが、空を見上げてると人はゆったりするのです。そうすると人に道を尋ねられる機会も格段に増えます。

 

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