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シロアジサシ

アジサシの  ひらり舞う夏  鮎はねて 虚心
シロアジサシ

 6月1日、多くの川では鮎が解禁になります。鮎師たちのなかにはまちこがれるあまり川で夜を明かす者もいます。私は自宅近くの相模川の様子を解禁前から観察していましたが、いつもはみえる鮎の姿がないのです。当日は相模川の要所をみてまわり、釣れていないことが確認できましたから、酒匂川に足をのばしました。竿を出したのは日が高くのぼってからのことです。
 酒匂川は相模川より水の綺麗さがづっと上ですから、鮎の味もいいのです。川につかっていますと岸辺の葦のなかから、オオヨシキリのキッキッキッあるいはギョギョギョという激しい鳴き声が聞こえてきました。オオヨシキリは河原のカシマシ屋さんという趣です。それでもオオヨシキリの声は、河原に活気を呼び起こす夏の風物詩です。
 オオヨシキリの鳴いてる夏はいいなあと思っていましたら、竿の上をアジサシの仲間がゆっくり舞っていて、それがいかにも優雅なのです。シロアジサシでした。コアジサシやアジサシには羽根には灰色が混じっていますし、目や頭の一部は黒いのですが、このアジサシにはそれがありません。どこも真っ白で優雅に飛ぶ鳥はシロアジサシでした。シロアジサシは熱帯地方の海域に棲んでいて、日本では迷鳥として取り扱っている野鳥です。
 迷鳥をみるのはさほどうれしいものではありません。一羽や数羽では仲間が少なすぎてさみしいだろうと思えるからです。  

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