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サンコウチョウ

月星日 日本の夏は サンコウチョウ  虚心

サンコウチョウ

 8月になると台風も20号近くになります。8月の後半にきた台風の後には秋のにおいがするものです。木々の濃い緑に疲れが見えるようになりますと、夏鳥の渡りが気にかかります。8月の終わり近いある日の朝、「月(つき)、星(ほし)、日(ひい)」の声が聞こえてきました。あれっ、と思いつつ10回ほど声を聞いて、間違いないサンコウチョウだ、と確信して嬉しくなりました。「月、星、日」は、人によっては「月、日、星、ホイホイ」と聞こえるようです。
 裏の林で啼いたのはこれが初めてです。東南アジアから渡ってくるサンコウチョウは北日本には少ないようで、静岡県が県鳥に指定しています。夏鳥ではありますが温暖の地に多いのでしょう。歳のいった先輩が、この鳥を鳥獣店から手に入れて啼き声を楽しんだ話をよくしておりました。ツキ・ホシ・ヒイのサンコウチョウはやはり野で啼いていてこその味わいです。
 サンコウチョウのオスは30もある大きくのびた緑の尾をもっており、頭に冠羽があます。メスはこれがなく、尾も普通 の野鳥より少し長い程度です。サンコウチョウのオス・メスとも胸から頭にかけて羽毛は見事な瑠璃(るり)色です。サンコウチョウが、オオルリなどヒタキの仲間であることを印象付けます。

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