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ノビタキ

ノビタキが 迎えてくれる 霧ヶ峰  虚心

ノビタキ


 ノビタキは高原の野鳥です。霧ヶ峰では背の高い草の先など人目に付くところで啼き声を発して歓迎してくれます。登山者が歩をすすめると先回りしてジャッ・ジャッ・ジャッという地啼のあとにチョリ・チョリ・チョリとさえずります。人はジュッ・ジュッ・ジュッのあとにフィーチョ・チーチーフィだといいます。
 日本の夏を霧ヶ峰の冷涼な世界で過ごすノビタキはしあわせ者です。霧ヶ峰に隣り合わせた蓼科山のようなシラビソの林にも棲息しており、例の啼き声を発して登山者にまとわり付きます。育雛のときの警戒からの行動かと思いましたが、人なつっこさから来るもののようです。
 ノビタキが霧ヶ峰特有の野鳥のように述べてしまいましたが、中部より北の高原などで一夏を過ごします。キビタキは樹林を好みますが、ノビタキは名前のように草原を好みます。オスは黒い頭に黒い羽根そしてミカン色の胸部をしております。嫌みのない美しさだと思います。メスは頭が茶色です。ともに翼に白い班があります。大きさはスズメよりわずかに小さい程度です。
 霧ヶ峰の車山に近いコロボックル・ヒュッテのコーヒー・テラスにノビタキがよく姿を見せます。ヒュッテは高原道路から少し山に寄っていて、テラスは霧ヶ峰を静かに眺めるのに都合のいい作りになっております。山のエッセイストでもある手塚宗求さんがやっている山小屋です。霧ヶ峰に足を運んだら無理にでも車をとめて休憩してください。

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