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カヤクグリ

夏の谷 妖精らしい カヤクグリ  虚心

カヤクグリ

 カヤクグリは冬場には奥多摩湖周辺では頻繁に目にすることができます。夏場は高山帯に移動するので立山の雷鳥沢周辺では観光客に雷鳥やイワヒバリなどどともに愛嬌をふりまきます。雷鳥沢には雪渓が遅くまで残るため夏場でもスキー遊びをしたいスキーヤーが訪れます。最近はスノーボードの人もここで遊んでおります。
 雪渓が溶けて顔を出した川の端をカヤクグリが飛び回っているのが嬉しくてしばらく眺めておりました。この谷は硫黄が吹き出しておりますから、辺り一面に臭いが立ちこめております。スノーブリッジの下に現れた岸辺に餌があるためか、カヤクグリはチリイ、チッ、チイと啼きながら頻りに移動してはついばんでおります。見ようによってはイワヒバリと思えますが、それより一回り小さいのがカヤクグリです。小さいだけに行動は敏捷です。人の近くに寄ってきますが、イワヒバリよりは距離を多くとります。
 頭も背部も茶色の体色は地味なものです。イワヒバリにある翼部分の白い筋はありません。ハイマツ帯で行動するのに便利なのでしょうか、夏羽根の雷鳥と類似の体色です。
 雷鳥沢は硫黄分が混ざるため白濁しておりますから、この毒が消える大部下流にならないと岩魚は棲めないでしょう。そんなことを考えながら強い雪渓の照り返しを浴びてカヤクグリ追っておりました。

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