|野鳥歳時記|

板橋区の「区鳥」選び


 県が県鳥を指定しているのにならって、東京都板橋区でも区の鳥つまり区鳥を決めるのだそうです。K氏からそれに応募することになっているので知恵を貸してくれと来訪の上頼まれて往生しました。
 この方面のことの決定に関しては決める立場の人に私は信頼を置いていないものですから、鳥の選びようもありません。しかし、期限が迫ってきたからと督促されるに及んで、都内の街中で見掛けることができる鳥のなかから、ヒヨドリ、オナガ、メジロ、ウグイスをあげさせていただきました。理屈など書きようもありません。
 このうちウグイスは、台東区に鶯谷があるのでウグイスはそちら向きの鳥だろうからという理由で外したとK氏から知らせをもらいました。
 区長を選ぶのは選挙民の投票ですから、民主主義の手法にのっとっているのでしょうが、それが区鳥になるとどのようになるのかわかりません。
 千鳥町という町名の街で町鳥を選ぶとなると当然「チドリ」が選ばれることでしょう。新潟県には燕市がありますから、ここで市鳥を選べば「ツバメ」なるのでしょうが、確かめてはいません。私の住む神奈川県相模湖町の町鳥は「オシドリ」です。湖を題材にロマンを込めて選んだ結果でしょうが、オシドリなど滅多に見掛けることがないのです。またオシドリは日本人に古くから親しまれてきた野鳥ですが、その生態は解明されていません。23区内の池にも棲息しております。そんなことで、私は町鳥や市鳥や村鳥を選ぶ怪しさを知っているものですから、区鳥の候補をあげるのに乗り気でなかったのです。
 人は物事に夢中になると何をするかわからないものです。愛鳥家は自分の子供の名前を野鳥から拝借します。そうする人もいるということですが、親にノジコとかコルリとかヒバリとかシギとかクイナとかカモメなどと命名された女の子は可愛そうです。その昔、人は愛鳥家でなくても人に鳥の名前を付けたのです。鷹男、鷲蔵、鶴男、鶴蔵、雁市などは男の名前です。鶴、つる、ツル、鶴子などは女の名前です。福沢諭吉は人間の名前は識別の記号なのだから、付けられた本人が名前で苦労しないようにするのが親心だといっていますから、愛鳥家は鳥への愛が高じてわが子への愛がどこかへ行ってしまうのでしょう。

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