「夏休み」だ、旅だ、信州だ

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 旅の写真を撮りに旅に出る。夏といえば旅、そして信州なのだ。しかしとりあえずこの旅の起点は岐阜の長良川。郡上八幡に二泊してから松本市を経ての帰京のコース取り。写真は7月5日、飛騨高山から国道158号で安房峠に向かう途中のワンカット。高山市では宮川の朝市を覗く。この日、高山市ではハーレー・ダビットソンのライダー達の集会が催されるらしく郡上・八幡町から松本市までの道中、何台ものハーレーと出合った。ハーレーの人達はみな映画「イージーライダー」をイメージした出で立ち。梓湖畔にもこのグループがいた。グループ数台のハーレーのうちの一台の調子が悪いらしく、茶髪の青年にタンデムしてきたロン毛に印刷タトゥーの彼女が「直った」と声を掛けていた。お幸せにな。それにしても、ハーレーの人々は群れるのが好きだなー。安房峠の下に掘られた安房トンネルは信州と飛騨の間を一気に短縮した。開通して間もないが、これにより高山と松本との交通量は二倍に増えている。冬季の交通が自由になった意味は大きい。普通車の通行料は700円ほど。この旅に持ち出したメインカメラはミノルタのAF一眼レフ二台。長良川の鵜飼いや夏景色を狙った。水と緑と空と雲を撮るのには偏光フィルターは当たり前。メモ用のサブカメラはAPSとデジタルの二台。私のような行きずりの旅人の写真撮影なんていい加減なもの。上手い写真を絶対に撮らなければならないということがないのだ。従って、長良川の流れを見たら竿を出さずにいられないのが俗人たる所以で、美人女将のいる奥美濃荘に二泊してしまった。初めて竿を出した長良川の鮎にはびっくり。おとり鮎を追った24センチ、115グラムの鮎がガツンときて竿をのす。上流部の流れの速い瀬で連続7尾のばらしに糸切れ。長良川の鮎の元気さはうれしい限り。ついついムキになってしまうのだ。ところで、このところの私の写真のテーマは「水の流れ」「川」。「川を知るために釣りをするのだ」というのは勝手な言い訳。良い川が流れているということはその地は自然環境的には良い所なのである。山があるから川があり、川があるから平野があり、街があるのだ。安房トンネルを松本方面に抜けるとそこは上高地の入り口。地上の楽園に足を踏み入れたい気持ちが強かったが、雑踏もまた嫌いなので止めにする。上高地は河童橋に尽きる。河童橋の昔の写真を斉藤和義さんに最近もらった。この写真は大学アルピニスト時代の思い出の一枚であるという。
(文と写真は論説員・横田俊英)


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