日本計量新報への投稿 はじめに(編集部)  (以下の文章は、2002年5月初旬に埼玉 計量団体連合会会長の松村恒夫さまからいただきました投稿をそのまま記載したものです。なお小見出しだけを編集部で付け加えました。)


(社)埼玉県計量協会の指定定期検査機関認定への帰趨

 松村恒夫(埼玉計量団体連合会会長)

●何とか認定に

 本年3月28日、県より指定定期検査機関として認定され、業務委託書を受領した。
 当(社)埼玉県計量協会の新たな出発をみるにいたる道程は生易しいことではなかった。それまで7つの単会が連合し埼玉団体連合会が組織形成されていた。各会は個々に自主運営され、単会資格で加盟し異なる歴史的背景のもとで専門的見地から計量事業が行われていた。

●7単会統合法人化へ

・埼玉県計量管理協会
・埼玉県計量証明事業協会
・埼玉県大型店舗計量協議会
・埼玉県計量工業会
・埼玉県環境計量協議会
・(社)日本計量士会埼玉支部
 そのなかで計量協会と工業会は昭和27年創立、他の会はその後創立をみた。
連合会のなかで埼玉県計量協会のみが唯一「社団法人」を取得しており、他会は任意団体であり埼玉独自の組織環境のなかで、指定定期機関の資格条件に合うようにまとめるかが、まず当面の課題であった。
 平成8年12月13日の計量協会の理事会にて、連合会の統一の必要性とその法人化への質疑が交わされた。団体連合会のながで唯一公益法人格のある協会が先頭に立ち実現すべき意見が採択された。
 平成9年6月19日団体統一化への連合の正副会長会議が検定所長を交え開かれたが、意見の一致をみぬまま統一法人化の初めの会議は終わった。
その後に検討委員会を構成し、「計量団体連合会等運営検討委員会設置要綱」6条が提示されたが、やはり説明だけに終わった。
 計量協会の理事会の重要課題は会員減少、会費納入遅延、未納書、退会者、相変わらずの事態で、この現象は今始まったことでもないが、今後統合実現化に向けての法人格適合条件を満たしている間に、容易にして至近な手続き方法が可能のうちに全体の法人化への実現を目指した。
 その後連合会の正副会長会議および理事会、単会会議等幾度か開かれたものの、議論がなかなか噛み合わぬまま合意は望めず時間切れ。各会の守旧的立場から必然的な意見、見解の違いが最後までたたって、反対の意見が益々強まるばかりだった。
 現状の連合会のままでの法人化の提起もあったが、実現は不可能に近いということになり、その場で問題は一蹴された。
実現可能な至近最良の方法として、社団法人埼玉県計量協会へ吸収、合併すること、すなわち協会創立当時の原点に戻ることだとの意見が出されたが、統一についての各単会の不一致の基本的原因は最初よりそのへんにあったようだ。しかし全単会が反対ではなく2単会のみは終始賛成協力的態度を崩さず、初めから理解を示していた。
 地方分権化にともない指定定期検査、証明機関認可の優先条件は、社団法人である計量関係機関および団体が対象である以上、現状ではまず単会の統一による組織基盤が必要なので全てに優先することなのだ。
 統合の合意は結局得られぬままに平成10年は過ぎてしまった。ただ計量協会としてその間着々と受け皿作りを始めていた。第一に会則のため幾度か理事会を開いていた。
 全体的に連合会は反対意見は強く、なかに協会に不信を懐く会員もあり、現状では合意を得ることは到底無理なこと、ある単会では先鋭的でしかもラジカルな反対意見が強く、しばらく落ち着くまでようすを見ることにし、やむを得ず問題を先送りにした。
 その間幾度か団体としての理事会が持たれたが、恣意的統合の議題は討議せず、他の議題を優先した。だが、そのなかでも協会が受け皿となり、定款改正への中心となる体制作りに努めていた。改正の理由及び趣旨の説明にアンケートを添え徹底を図り、情報提供をつづけた。

●他県の統合や法人化への影響による加速

 およそ1年半ほどの冷却期間中、幸い統一への気運が再燃した。その間すでに新潟計量協会が一本化し新発足した。翌平成11年4月、滋賀県、静岡の計量協会が指定定期検査機関の指定を受け、当時6機関のなかで4県が指定待ちで、他計協の14カ所が法人化された。
 全国の各地で法人化ならびに機関指定取得の急速な進捗状況が会員の再考の気運を高め、11年11月連合会理事会に「連合会統合の構想について」の議題が再提出された。その後1ヶ月の間に5回の会議が開かれ統一への歩みが一気に加速し、平成12年を迎えた。
 12年1月、計量協会の理事会で会則原案の概要説明を行う。2月の理事会の席上改正の具体策を説明し認証された。 同月連合正副会長会議へ改正の経過報告をし、さらに統合にともなう単会員の意志決定の確認を早急にまとめるよう求めた。
 協会側はすでに意思統一が確立し単会の合意を待つことなく定款改正を先行し、統合受け皿作りのため行政側の協力を得て、8月の末には協会での定款改正の審議は一段落した。
 協会の9月の理事会では、「(社)埼玉県計量協会の定款改正」についての臨時会員総会の日程が同年10月4日〔水〕、場所「計量検定所」3階会議室、時間4時より 臨時会員総会時現在の会員数482 委任状による数260 出席会員を含み総会は成立、原案通り「(社)埼玉県計量協会の定款改正の件」は可決承認された。ただし認可上細部要項の訂正については会長一任の条件が付加された。

●指定定期機関立ち上げと指定認可を受けるまで

 県側より定款改正の認可を得たのは13年の4月に入ってまもなくであった。
この年の7月「関ブロ協議会」開催担当県にあたって統合の問題と並行し大会開催準備の繁雑さの真中であった。

●「指定定期検査機関の立ち上げ協議会」経過概要

 第1回協議会

平成14年4月19日(金)検定所職員、連合正副会長、計量士、事務局員 20名
(1)平成14年度より実施
(2)協会と指定期間との整合性について

 第2回協議会

平成13年5月25日(金)出席者18名
(1)他県における現状および先進進渉報告
(2)前協議会配付資料に関する質疑および意見交換

 第3回協議会

平成13年6月27日(金)出席者19名
(1)第2回協議内容の確認
(2)検定所内においての検討内容およびその概要について
a.検定所に関する業務と指定検査機関との業務範囲
b.実施時期の件
c.検査日数の問題

 第4回協議会

平成13年7月24日(火)出席者17名
(1)業務委託に係るスケジュール・内容についての検討
(2)業務範囲および内容についての再検討
(3)意見交換、質疑に対する検定所側よりの解答

 第5回協議会

平成13年8月28日(火)出席者21名
(1)第4回協議会結果の概要について
(2)業務委託に係る内勤事務に関する件
(3)今後のスケジュールについて

 以上検定所と協会側との「合同会議」の主要項目で会場は当計量検定所3階会議室にて行われ、開始時間は午後2時であった。
 団体連合会の組織のまま総会を終え、7月には「関ブロ大会」を迎え、11月には「連合会定款第39条による解散」を行って「新たな社団法人計量協会」がたんじょうした。
 しかし統一後現実諸問題が山積し早期解決できぬまま、先送りせざるを得なかった。新体制のもとさらに指定機関係る会議は続けられた。

●新計量協会の理事会

11月19日(月)
指定定期検査機関の件
会費設定の検討

●指定機関立ち上げ総括調整連絡会議本庁指導にて開く

12月3日(月)
埼玉労働商工部4名、埼玉計量検査所4名、新(社)埼玉県計量協会4名
協会側および計量士部会としての質問ならび要望書を提出。直接県側の意向をただす。

●正副長会議

所「埼玉県民健康センター第2小会議室」午後2時、12月20日(火)
(1)指定機関
a.執行者、人事の件
b.質問および要望書の件

●本庁との面接

12月26日(水)
本庁より機関専任者の紹介。正副および顧問立合のもと面接。本庁より2名随行。

●理事会開催

平成14年2月14日(木)
指定定期検査機関事業を平成14年4月より実施の件承認される。
平成14年2月21日(木)埼玉県へ指定申請を行なう。

●指定を受ける

同3月26日(火)計量法第20条第1項および第1、17条1項の規定に次の条件のもとに指定を受ける。
3月28日(木)、埼玉県より指定書を受領。

●指定の内容

指定期間、3年間 対象計量器、150kg以下電子式ハカリ、平成14年現在約3千台、2tを超える計量証明事業用約160台
検査体制、派遣職員1名
計量士15名、県より借用
検重車および1t分銅
委託料20、661千円
手数料10、882千円


 

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