NITE タイと覚え書き締結
タイの計量標準体制の強化に貢献
すべての国家標準認定を移管
インフラ整備の進展に期待
(独)製品評価技術基盤機構(NITE、安井至理事長)認定センター(IAJapan)は、6月8日、タイ国家計量標準研究所(NIMT)とタイ工業省工業標準局(TISI)との間で、「タイ王国の計量標準に対する認定の移管に関する包括的覚書(MOU)」を締結した。
TISIからNIMTへ認定付与
本覚え書きは、IAJapanが本年5月に、タイ国家計量標準研究所(NIMT)が我が国の国際協力に基づき国家標準として整備した8分野すべての認定を完了したことを契機に、そのすべての範囲の認定をTISIに移管するためのもの。
MOU締結後、IAJapanから移管手続きが行われ、TISIからNIMTに対して認定が付与される予定。
NIMTは、タイ国での標準供給体制が国際的にも受け入れられるものとするため、国際試験所認定協力機構(ILAC)に参加しているIAJapanの認定取得をしていたが、この移管により、タイ国家計量標準の供給体制を自国内で容易に維持・管理できるようになるため、自国内のインフラ整備が進展することが期待される。
IAJapanがTISIに認定内容を移管することは、ILACの越境認定方針に沿うもの。
産業や貿易面におけるタイと日本の関係が強まるなか、JICA((独)国際協力機構)プロジェクトでNIMTの計量標準が整備された。NIMTの計量標準に関する校正が国際的に通用することを目的に、IAJapanの校正機関認定(ASNITE認定)プログラムが活用され、2012年5月までに、NIMTが申請した8分野全てに対するASNITE認定が完了した。
TISIは、IAJapan のASNITE認定プログラムを参考に、国家計量標準機関に対する校正機関認定プログラムを整備してきた。
IAJapanもTISIも国際試験所認定協力機構相互承認(ILAC-MRA)に加盟しているのでIAJapanからTISIへの認定内容の移管が可能なシステムとなっている。
IAJapanが認定した3分野は、2008年に移管が完了しており、NIMTの残り5分野について移管するため、NIMT、TISI、IAJapanの3者がMOUの締結をすることになったもの
日系企業にも大きなメリット
日本の計量標準技術に基づいた計量計測トレーサビリティのとれた計量標準がタイ国内で継続的に安定して調達できることは、地元企業、タイ製品を輸入する国内企業、タイに進出している日系企業にとっても大きなメリットになる。
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