日本計量新報 2011年3月6日 (2860号) |
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第9回全国計量士大会開く
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左から土井進委員長、飯塚幸三会長 |
同大会は、日計振計量士部会運営委員会(土井進委員長)が企画立案し、計量の制度や技術に関する最新情報を提供するとともに、参加者相互が交流と情報交換をして、計量士の資質の向上や地位の向上を支援することを目的にしている。
総合司会は中藤統一郎(社)岡山県計量協会専務理事。土井進(社)日本計量振興協会計量士部会長が開会あいさつし、「この大会で討議を深め、新しい計量管理を構築して欲しい」と述べた。
飯塚幸三同会会長が主催者あいさつをした。飯塚会長は、日計振が進めている研修を紹介し、新しい試みとして、地域の中小企業を対象とした測定基礎研修講習会やセミナーなどを実施したいとした。また4月頃発行予定のJISQ10012の導入手引き書の作成や「測定の不確かさ」の生産工程への活用のための調査研究などの取り組みは注目すべきことであると述べた。
吉川雅之経済産業省計量行政室長が来賓あいさつした。計量行政をめぐる状況や国がこれまで進めてきた事項を説明して、「計量士の役割はこれまで以上に重要になっている」とし、適正計量の推進や計量制度の維持発展には計量士の力が不可欠であると述べた。
河住春樹(社)日本計量振興協会専務理事が「日本計量振興協会の計量士関係事業の取り組み状況」を報告した。
樫村赫昭大阪計量士会副会長がまとめ役となり、意見交換をした。テーマは「新しい計量管理の構築を目指して」、副題は「期待される計量士の役割」。生産・流通両部門から計5件の事例報告をし、参加者が自由に意見交換した。樫村氏は「事例はいずれも計量士が消費者の目線で活動しているものであり、ここにアイデア、ヒントが含まれている」と述べた。
生産部門の報告は2件。(1)「農産・畜産品等食品工場における量目管理」堀田圭一((社)計量計測技術センター)と、(2)「食品工場(調味料・ソース類)の計量管理について」大谷恵吾(東京計量士会)。
流通部門からの報告は、(3)「売れる、信頼される計量管理(百貨店における計量管理の事例)」西垣太朗(愛知県計量士会)、(4)「計量士活動とスーパーマーケットにおける計量管理」原田勲(大阪計量士会)、(5)「適正計量管理事業所(デパート)における計量管理業務の紹介」藤岡俊彦(広島県計量士会)の3件。
事例報告後のフリーディスカッションは、樫村コーディネーターの質問に、報告発表者が答える方法で進行した。
量目の不足側のみを規制する日本と、平均値主義のEUの商品との矛盾なども報告された。
風袋の確認不足など、必ずあるポカミスをどう防ぐかということも出た。
事前に意見を寄せた、吉田富二雄((社)兵庫県計量協会計量士部会)、高徳芳忠(東京計量士会)、藤田道彦((社)山口県計量振興協会)、溝口義浩((株)東洋精機製作所)の各氏が発言した。吉田氏は「傍観者ではなく自らが牽引者という自覚」が必要と述べた。
会場から、猪俣彰男(〔一社〕山梨県計量協会計量士部会)、清原正英((社)福岡県計量協会)、廣瀬幸造(愛知県計量士会)、溝口裕介((社)兵庫県計量協会計量士部会)、小澤武治(神奈川県計量士会)、横須賀健治(同)の各氏が発言した。
小島孔(独)産業技術総合研究所計量研修センター長と吉川雅之計量行政室長が助言をした。両氏は、質問が出された基準器制度とJCSS制度の統一、計量士の教育訓練、量目制度の国際化、計量研修の見直し、自動はかりの扱い、計量士の活動のあり方(広域化)、などを助言した。
樫村コーディネーターは、出された意見は運営委員会で検討し、報告するとした。
閉会あいさつは、桑山重光(社)日本計量振興協会計量士部会副運営委員長。
懇親会では、宮下茂日計振副会長があいさつ。来賓を代表して、川田清司大阪府計量検定所長があいさつした。
松浦道浩大阪計量士会会長の発声で乾杯し、全国の計量士が交流を深めた。中締めは、白鳥慎治運営委員。
(詳細は後日)
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