日本計量新報 2011年2月13日 (2857号) |
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第61回計量士国家試験迫る
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昨年のようす
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計量士は計量法第122条に規定された国家資格で、毎年1万人以上が受験している。一般計量士、環境計量士(濃度関係)、環境計量士(騒音・振動関係)の3つの区分がある。
出願者数、受験者数はここ数年、緩やかに増加してきたが、今年は減少に転じた。第61回の出願者数は1万87名(前年比91.8%)。内訳は、環境計量士(濃度関係)6638名(前年比90.1%)、環境計量士(騒音振動関係)1760名(91.1%)、一般計量士は1689名(100.0%)。
経済産業省では、2001年から計量士国家試験の合格基準を明らかにしている。
第60回の合格基準は、以下の2つの条件を両方とも満たすものであった。ただし、科目の試験免除がある受験者は、(1)を満たせばよい。
(1)専門2科目の合計
▽試験区分が環境計量士(濃度関係)にあっては、96点以上(24/50 問)
▽試験区分が環境計量士(騒音・振動関係)にあっては、100点以上(25/50問)
▽試験区分が一般計量士にあっては、112点以上(28/50問)
(2)共通2科目の合計
全試験区分とも、120点以上(30/50問)
なお、2010年3月に実施した第60回計量士国家試験の合格者は、1169名(受験者数7266名、合格率16.1%)。内訳は、環境計量士(濃度関係)が710名(受験者数4771名、合格率14.9%)、環境計量士(騒音・振動関係)が201名(受験者数1209名、合格率16.6%)、一般計量士が258名(受験者数1286名、合格率20.1%)、である。
【試験会場】▽北海道=北海道情報専門学校(札幌市白石区菊水6条3丁目)▽宮城県=東北電子専門学校(仙台市青葉区花京院1−3−1)▽東京都=東京大学駒場キャンパス(目黒区駒場3−8−1)▽愛知県=名古屋工学院専門学校(名古屋市熱田区神宮4−7−21)▽大阪府=大阪経済大学(大阪市東淀川区大隅2−2−8)▽広島県=広島経済大学(広島市安佐南区祇園5−37−1)▽香川県=香川短期大学(香川県綾歌郡宇多津町浜1−10)▽福岡県=東和大学(福岡市南区筑紫丘1−1−1)▽沖縄県=沖縄第2地方合同庁舎(那覇市おもろまち2−1−1)
(次号以下へつづく)
2010年度全国計量行政会議が、2月8日、経済産業省で開かれ、計量行政関係者238名が参加した。
本会議は、経済産業省、(独)産業技術総合研究所、都道府県計量行政協議会、全国特定市計量行政協議会の共同開催。
1つの審議事項、6つの報告があった。
会議は「計量教習等検討特別委員会」の設置を決めた。
特別委員会は、計量研修のありかたを検討するもので、産総研計量研修センターが実施する計量教習の開催時期、期間、カリキュラム、ニーズに応じた新たな特別教習の設置などに関する計量行政機関の要望などをとりまとめる。
11年度7月以降に初会合を予定しており、当分の間、年1回11月の開催を予定している。
小島孔産総研計量研修センター長は「受講しづらい状況を改善したい」としている。
特別委設置の背景には、地方分権一括法の施行で計量行政の大部分が自治事務となって以降、計量行政機関が大きく変化している状況がある。計量検定所・検査所組織の改編、計量職員の激減、計量専門家の不在などにより、各自治体ごとの技術者の育成が困難になり、技術伝承システムが機能しないなどの問題が生じている。
会議では、次のような要望が出された。▽前提として10年後の計量行政に関する共通認識が必要ではないか、レベルを引き上げる制度設計にしてほしい(愛知県)▽県と市では必要な内容が異なるので分けてほしい、指定機関の管理監督のあり方、実習の映像教材、地方での開催(神戸市)▽全体の最終的な到達点を明確にしてほしい(名古屋市)▽アウトソーシングがもっと進むことが予想されるので、委任後の管理監視の仕組みを整えてほしい(帯広市)。
(次号以下へつづく)
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