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日本計量新報 2008年2月3日 (2709号)

原価増を転嫁できずに売上げ増も減益傾向
東京証券取引所に上場の企業5社の第3四半期報

東京証券取引所(東証)に上場している計量計測関連企業の平成20年3月期(1社のみ2月期)第3四半期の業績が明らかになった。原油・原材料の高騰、サブプライムローン問題による世界的な経済環境の混乱などで、景気の先行き不透明感があるなか、売上げは前年同期比で増やしているものの、原材料費の高騰分を売価に転嫁できなかったことや、減速気味の設備投資のため減益となった。各社の概要は次の通り。


長野計器

設備投資の増加を背景として産業機械業界向、プロセス業界向の圧力計、圧力センサの売上は堅調に推移した。空圧機器用の小形圧力計、化学・電力等のプラント向圧力計及び建設機械用圧力センサの売上が増加した。また、車載用圧力センサは、新規顧客への新製品の投入により売上は増加した。

なお、平成18年5月に子会社としたアッシュクロフト長野計器ホールディングの売上高は106 億84百万円(前年同期比122.6%増)となった。

この結果、当第3四半期の連結売上高は304 億4百万円(前年同期比28.4%増)となったが、利益面においては、原材料価格の高騰を売価に転嫁することができなかったこと、及び新製品の市場投入時における一時的な費用の発生、さらには、前年同四半期には為替差益が2億76百万円発生していたのに対して、当第3四半期では為替差損が53百万円発生したことなどにより、営業利益は8億39百万円(前年同期比20.7%減)、経常利益は6億22百万円(前年同期比54.9%減)、四半期純利益は2億37百万円(前年同期比66.6%減)となった。

当第3四半期末の総資産は439億57百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億50百万円増加した。主な増加要因は、現金及び預金が14億55百万円増加したことによるもの。負債は230億52百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億56百万円増加した。主な増加要因は、短期借入金が9億54百万円増加、長期借入金が15億61百万円増加したことと、転換社債型新株予約権付社債が新株予約権の行使により全額株式に転換となり、社債が10億円減少したことによるもの。

純資産は209億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億94百万円増加した。主な増加要因は、転換社債型新株予約権付社債が全額株式に転換となり、株主資本が10億円増加したことと、その他有価証券評価差額金が3億82百万円減少したことによるもの。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末比0.5ポイント減の47.4%となった。

愛知時計電機

愛知時計電機グループは全社を挙げて受注の増大とコストの低減に取組み、収益の確保に努めてきた結果、第3四半期までの連結業績は、売上高は前年同期比6.0%の増収となったが、利益面では採算性の低下が避けられず、減益を余儀なくされた。

採算性の回復に向けた追加施策の効果もあって、下半期に入って利益の回復傾向が現われている。また、当期から新たに改革推進本部を設置し、構造改革の推進と成長路線へのシフトに向けた具体策を着実に進めているが、中間期までの落込みが尾を引き、前年同期を下回る利益水準にとどまっている。

第3四半期末における総資産は、前連結会計年度末に比べ12億73百万円減少した。主な増減は、流動資産では、現金及び預金の増加4億37百万円、受取手形及び売掛金の減少30億4百万円、たな卸資産の増加17億81百万円などがあり、固定資産では、投資有価証券の減少16億41百万円、前払年金費用の増加5億85百万円、繰延税金資産の増加4億93百万円など。負債は、1億12百万円増加した。純資産は、その他有価証券評価差額金の減少10億4千万円などがあり、13億85百万円の減少となった。 (8面につづく)

日本計量新報 2008年2月3日 (2708号)

計量士技術講習会を開催
計量士の資質向上へ段階的レベルアップの一環

東京会場104名、大阪会場128名が受講

     

東京会場のようす

(社)日本計量振興協会は、計量士の資質向上のための講習会を、東京と大阪で開催した。今回開催したのは「リフレッシュ基礎コース」で、東京会場(日本計量会館)が104名、大阪会場(チサンホテル新大阪)が128名受講した。

計量制度の重要な役割を担う計量士への期待が高まっていることから、同会は計量士の資質向上が不可欠であるとして、段階的に研修内容をレベルアップし、各段階ごとに同会の認定証を発行する研修教育の実施を検討してきていた。

今年度は「リフレッシュ基礎コース」として、「法令・国際規格」「計量管理概論」「計量機器概論」を実施した。

同会は、従来の研修は一方通行的な講義形式であり、受講者の理解度が検証できず、研修などで得た知識、技術能力・管理能力をきちんと社会へ示すことができないとしている。研修会で「理解度チェックシート」を活用して、受講者の講義内容への理解度を確認し、一定の基準をクリアした受講者に「認定証」を発行することにより、社会に対して知識、技術能力・管理能力をきちんと示すことは、計量士の職域の拡大にもつながると期待している。

同会は、実施状況や地域の計量士会からの意見をもとに、テキスト内容や実施方法について常に見直しや改善をして、講習制度の充実をはかりたいとしている。

今回の講義内容は次のとおり。▽開講にあたって▽計量法令▽国際規格ISO9001と計量管理▽計測の不確かさと統計手法▽商品量目の管理▽JCSS▽ISO/IEC17025▽非自動はかりの使用中検査(性能要件及び試験方法)、JIS基準に基づく検査方法(JISB7611−2)▽計量器概論▽理解度チェックシート記入/修了証配付


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