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 2003年11月23日(2515号)


■【江戸開府400年計量記念事業】「計量いま・むかし展」11月29日から04年1月18日江戸博で メートル原器、ペリー天びんも出品 

 本年が江戸開府400年にあたることから、日本の18の計量関係団体は「江戸開府400年計量記念」実行委員会(蓑輪善蔵日本計量史学会委員長)を発足させて「計量いま・むかし展」を開催する。会期は11月29日から来年1月18日まで。会場は、両国国技館の隣、江戸時代から現代までの展示で有名な東京都江戸東京博物館。同館でこの期間開催される「平賀源内展」に、共同企画として併設される。会期中は、都民参加のワークショップも実施し、最新計量・計測機器も展示する。従来の計量関係にはない画期的な展示会となる。

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 「計量いま・むかし展」は、江戸時代の発明家でもある源内が、日本で初めて温度計を製作したという史実から、実行委員会の粘り強い交渉により、「平賀源内展」との同時開催が決定した。

 「平賀源内展」の入場者は「計量いま・むかし展」に誘導される会場構成となっている。学校の冬休みや年末年始をはさみ、人気の高い博物館での開催とあって、小学生、中学生などの児童や歴史愛好者など、10万人近い入場者が予測されている。

構成は3本柱

 「いま・むかし展」は@都民参加ワークショップA最新計量・計測機器展示B計量いま・むかし展の3構成となっている。 @とAは無料で、江戸東京博物館を訪れる人は誰でも参加できる。Bは「平賀源内展」の入場チケットが必要となる。

 都民参加ワークショップは岩下貞治都民参加事業部会長(東京都計量器コンサルタント協会)のとりまとめで、11月29日、30日に「都民計量のひろば」を開催する。体脂肪や骨密度などの健康測定コーナーや「計量ゲームに挑戦」など。

 また、翌週の12月6日、7日の2日間は、温度計の専門メーカーの集まりである東日本計量器工業協同組合の指導による「寒暖計製作教室」が開催され、応募した100名の参加者が実用に耐える温度計を手作りする。

企業が「はかる」を紹介

 最新計量・計測機器展示は作間英一最新技術展示部会長((社)日本分析機器工業会)のもと、(社)日本計量機器工業連合会など計量団体が全面協力。12月2日から12月27日までの4週間、島津製作所、メトラートレド、東京ガスなど15団体・企業が出展。現代の計量計測機器を、「生活をはかる」「健康をはかる」「精密にはかる」「いろいろなものをはかる」のコーナーごとに毎週、出展企業が交替し、入場者に現代の生活や科学技術の基盤となっている高水準な計量の取り組みを紹介。各企業とも、都民向けに知恵を絞ったデモンストレーションが展開される。

  2003年11月23日(2515号)

■源内の温度計を参考製作


 「計量いま・むかし展」は、高田誠二歴史展示部会長(北大名誉教授)のもと、国立科学博物館鈴木一義主任研究官、東京大学大学院馬場章助教授が部会メンバーとして参加。精力的な検討を重ね、小規模ながらも学術的な価値の高いユニークな展示が実現した。

 度量衡(長さ、体積、質量)と温度計の江戸時代から現代までの変遷が展示の中心となっている。

 注目の展示品も数多い。まずは日本国メートル原器。1886年から1960年まで標準器の役割を担い、それ以降も産業技術総合研究所で厳重に保管されてきたが今回初めて一般公開される。第2は、ペリーが1854年の2度目の来日時に幕府に献上した天びんである。この天びんはその行方が長い間不明であったが、1967年、偶然に東京大学で発見され、1968年、ワシントンの国立博物館でペリー総督日本訪問100周年の特別展で展示された。その後、国立科学博物館で梱包され保管されていたものを、今回、国内で初めて組み立て公開される。第3は、平賀源内の製作した温度計の参考製作品である。源内の温度計は現存していないが、資料(寒熱昇降図)をもとに、高田部会長と東日本計量器工業協同組合の温度計専門メーカーが中心となり、日本で初めて再現参考製作するものである。このほかにも、大判小判や分銅など、好事家には見逃せない貴重な資料が出品される。

 また、現代の計量器として展示されるのは、3次元測定機(ミツトヨ提供)、赤外線放射温度計(チノー提供)、質量センサー(新光電子提供)。江戸時代の度量衡から、メートル条約への加盟を得て、日本人の英知で進展してきた計量計測機器の到達点をアピールしようとの趣旨に各企業が賛同して実現した。

    2003年11月23日(2515号)
 

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