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 2002年4月21日(2442号)


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第2回関東5県計量工業会連絡協議会−法令、経営対応など4議題を協議

 第20回関東5県計量工業会連絡協議会が4月12日午後、さいたま市浦和仲町の浦和ロイヤルパインズホテル会議室を会場に、関係者32名が参加して開かれた。同会は茨城、栃木、千葉、埼玉などの関東の5県の計量器工業関係企業が一同に会して、共同する案件を協議する場として開催されてきており、今回は埼玉県計量工業会が当番県になって開かれた。 内閣府の法人企業動向調査の指標は、前期より景気が「上昇」と答えた企業割合から「下降」とする割合を引いた値。1〜3月期の景気判断指標(季節調整値)はマイナス37となり前回(昨年10〜12月期)より22ポイント改善した。8年ぶりの大幅改善で、内閣府は企業の景況感について前回の「下げ止まりの兆しが見られる」から「下げ止まりの動きが見られる」に上方修正した。

 協議は午後2時に開会。提案された議題は、
@関係の県計量協会等の指定定期検査機関の指定動向、
Aタクシーメーター事業の経営環境の変化への有効な対応の模索と検討、
B検定検査規則改定に伴う質量計の重力加速度標記の実際について、
C工業会および協会の現状と協議会の当面の運営について、
の4議題で、午後5時まで協議したのち、5時半からは懇親会が開かれた。提案議題の協議内容は次のとおり。

指定定期検査機関

 @関係の県計量協会等の指定定期検査機関の指定動向=埼玉県では計量協会が平成14年度から県の指定定期検査機関として指定を受けて業務を開始することを報告。千葉県は法人化の準備を整えているが、指定定期検査機関としての指定その他の協会の今後の運営は、県当局が今後どのように計量行政を運営していくのかという姿勢を見てからでなければ決められない状況にあると報告。茨城県は大型はかりの代検査を県の委託を受けて実施していることを報告。栃木県は法人化のために大同団結という組織形態はつくってあるが、今後の推進は県当局の行政姿勢を見てからということになると報告。

タクシーメーター事業

 Aタクシーメーター事業の経営環境の変化への有効な対応の模索と検討=タクシーメーター事業は大幅な規制緩和策の実施により経営環境が大きく変化する。タクシー会社のメーター更新周期の延長傾向が強いためメーター販売も困難性がある。今後どんな対応があるか。千葉県からは同県のタクシー関係事業者の一部の意見として検定を民間に委譲するようにとの希望がでていることが説明された。
重力加速度標記

 B検定検査規則改定に伴う質量計の重力加速度標記の実際について=新しい規則に従って、1品生産の検定付きはかりに重力加速度の標記をしようとすると、作業の煩わしさが甚だしいので、これを解消する運用面での工夫を関係当局に願いたい。事情に通じた埼玉県計量工業会会長の森川正彦氏が以下のような説明をした。平成22年まで三つの技術基準が平行して使われることになり、従来のままでも使用可能な分野が残る。新基準では重力加速度は国土地理院発表のデータを用いることになる。データはインターネットを通じて確認できる。また国土地理院では測定地点との中間点の推計値を出す方法も公表している。(森川正彦氏は、東京都計量協会専務理事に就任するため、埼玉県計量工業会長を退任、会長には岩淵孝男氏が就任する)

工業部会等の運営

 C工業会および協会の現状と協議会の当面の運営について
=議題@に関連して各県の工業会あるいは工業部会の状況が説明された。工業会あるいは工業部会の会員数は多い県は50社ほど、少ない県で20社ほどであり、年会費は企業規模で異なる方法を採用しているところもあり、平均すると5万円ほど。計量協会会員数はある県では10年前には2000社ほどあったものが現在では500社ほどに減じている。会員数の減少が顕著なのが販売系会員で、新計量法の施行とその後の血圧計と体温計の届出制度の廃止後に1800社の会員が145社に減っている。この県では販売者部会の年会費は1万2千円である。それまでは2千円であったものを大幅に値上げしている。ある県の計量協会員数は740社で、このうち血圧計ならびに体温計の会員の年会費は2千円であり500社ある。質量計販売会員年会費は4千円。ある県は1000社あった会員が300社に減っている。 今後の関東5県計量工業会の運営は、経営対応と情報交換の場としての有効性を発揮する工夫をしながら存続させていくことを決めた。次回当番県は茨城県に決定。

工業会守浩三会長の挨拶

 協議会開会に際して関東5県計量器工業会会長の守浩三氏が挨拶にたち、大略次のような話をした。

 平成不況は官主導の間違った政策によってもたらされたものである。今の時代は役人がやる仕事はほとんど駄目であり、たとえば千葉都市モノレールは第3セクター方式で経営されているが、慢性赤字で抜け道が見つからない状況にある。役人の天下り経営者では初めから上手くいく道理がない。経営責任者を能力のある民間出身にしていれば何とかなるものを、資質のない者を責任者に据える天下り人事をするから駄目になるに決まっている。

 日本の建て直しは急務であり本音で議論するときだ。このままでは日本は中国に押されて沈んでしまいかねない。同じ電機関係でもソニーは黒字で、松下電器、東芝など軒並み赤字決算になる。企業は大きくても赤字では駄目である。私は社長に就任して30年を過ごしているが、赤字は一度たりとも出したことがない。赤字を出さないしっかりした経営をすることを肝に銘じて、奮励努力してきた。

 (挨拶の最後に千葉県計量工業会会長を辞任し後任会長には楠本行夫氏が就任するので、連動して関東北五県計量器工業会会長には同氏が就く旨を述べた)


(社)埼玉県計量協会が指定定期検査機関に

 (社)埼玉県計量協会は3月26日付で指定定期検査機関および指定計量証明機関に指定され、4月1日から業務を開始した。

 指定期間は3年間。対象計量器は、@150kg以下の電気式はかりと、A2tを超えるはかり(計量証明事業用)で、埼玉県から対象機種の定期検査業務、計量証明業務を引き継いだ。@は約3000台、Aは約160台が対象になる。

 指定機関の検査体制は、派遣職員1名、計量士5名である。検査設備は埼玉県が、検量車及び1t分銅を指定機関へ貸与する。

 予算は、2002年度の委託料2066万1千円、手数料収入1088万2千円である。

 同会は2001年4月に、指定定期検査機関業務も目的の一つにして県内の計量関係7団体を統合している。指定機関の運営には県当局の協力と支援が不可欠であり、協会は埼玉県当局と綿密に協議を重ね、2002年3月21日に指定を申請し、26日に指定された。

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