2000年7月2日(2360号)

■2000年度の検定等の有効期間の見直し始まる−本年12月に適正期間の結論

  政府は「規制緩和推進三か年計画」にもとづき、一九九七年度から五年かけて計量行政審議会(計量行政に関する通産大臣の諮問機関)で検定有効期間等を見直している。四年目の今年度は水道メーター、タクシーメーター、照度計の検定有効期間、ベックマン温度計、ボンベ型熱量計の計量証明検査周期、タクシーメーター装置検査用基準器、照度基準器の基準器検査有効期間を見直す。本年十二月に結論を出す。

審議を担当するのは計量行政審議会に設けられた検定有効期間等分科会(佐久間謙司分科会長)。六月七日に初会合、六月二十八日に第二回目の分科会を開催した。本年十二月には適正な期間の結論を出す。
 分科会は、適正な計量を確保するために検定に有効期間が設定されている趣旨をふまえながら、@該当計量器の使用実態や保守管理の状況、A構造、材料等の技術進歩にともなう性能の向上に関する技術的評価、B経年変化特性を評価し、必要なものについては耐久試験を実施、C計量の信頼性の確保等で消費者に与える影響、D諸外国の規制との比較や国際基準(OIML)との整合化、の五つの視点で検討する。
 分科会は十月をめどに、@技術進歩にともなう性能変化、A海外の動向、B検定の状況、C使用・修理の実態等、D器差特性の評価、E該当各計量器に特有の調査必要項目、の調査を実施する。
 現行の有効期間、検査周期は次のとおり。
【検定有効期間】▽水道メーター=八年▽タクシーメーター(装置検査)=一年▽同(頭部検査)=期限なし▽照度計=二年【基準器検査有効期間】▽タクシーメーター装置検査用基準器=三年▽照度基準器=三年【計量証明検査周期】▽ベックマン温度計=五年▽ボンベ型熱量計=五年


■計量研が力学部関連の成果発表会開催

7月18日、ナノ領域の次世代標準確立をテーマに

 計量研究所は二〇〇〇年度第二回成果発表会を七月十八日(火)に、つくば市の計量研究所会議室で開催する。力学部関連の成果を発表する。ワークショップの統一テーマは「ナノ領域における次世代標準の確立に向けて」。

【日時】
7月18日(火)、13時30分〜17時

【場所】
計量研究所3階、6階会議室

【ワークショップ】
13時30分〜14時45分、3階会議室、
統一テーマ 「ナノ領域における次世代標準の確立に向けて」▽寸法計測における複雑さ ・ あり方 ・ 展望=谷村吉久▽ナノメトロロジーの国際比較について=黒澤富蔵▽微小押込み硬さ試験(ナノインデンテーション)の標準化とその課題=清野豊

【ポスターセッション】
15時〜17時、6階会議室

▽圧力計の性能評価と校正について
▽標準分銅の自動分量校正の試み
▽6分力計測・解析システムの開発
▽ISO7500−1による一軸試験機の校正方法
▽気密容器内に設置した全自動天びん
▽矩形変動圧力の光学的振幅評価
▽高圧力用トランスデューサの校正システムの開発
▽トルク標準機におけるモーメントアームの特性評価
▽トルク標準機における支点軸受の感度測定
▽1 kg電子天びんを用いた重力勾配測定
▽重錘型圧力天秤を用いたデジタル圧力計の特性評価(第2報)
▽床振動環境下における高速高精度質量計測について
▽窒化物薄膜の形成と、nano−indentation法によるかたさ評価
▽ダブルU字管・ダブル干渉計式油マノメータの実用化
▽表面粗さ測定における測定機に起因する不確かさの検討−触針先端半径及び触針測定力の計測−
▽日本・マレイシア、二国間における振動加速度計の国際比較(続報)
▽ミラウ型顕微干渉計における干渉縞間隔の直接測定−微小段差標準片の値づけを目指して−
▽市販振動加速度ピックアップの位相特性
▽ボールプレートの校正における不確かさについて
▽干渉三次元測定機によるステップゲージの校正
▽原子間力顕微鏡による一次元グレーティング測定の不確かさ
▽一次元ボールプレートの開発
▽表面粗さ測定における測定機に起因する不確かさの検討−Z軸の倍率校正とX軸の真直度校正−
▽ゾルーゲル法による液中振動用PZT圧電薄膜マイクロカンチレバーの開発
▽幾何偏差の標準(形状誤差・測定誤差等の特性と評価値)
▽三次元追尾装置に関する研究(Study on 3D laser tracking System)
▽液体用超音波微小流量計のセンサ配置と流量特性
▽湿式ガスメータの不確かさ解析
▽排ガス用渦流量計の脈動特性の測定
▽細線熱電対を用いた音速ノズル内流れ場の測定
▽超音波風速計とLDVを用いた気体流速標準の開発
▽気泡流の流動特性に関する調査研究
▽水浸式超音波シングアラウンド法による各種弾性率の精密測定−アクリル、ポリスチレン、塩ビを例として−
▽計量研究所シャルピー標準衝撃試験機の安定性
▽ナノインデンテーション試験機の校正技術の開発
▽レーザ励起の単一周波数超音波を用いた薄板及び薄膜の精密音速測定に関する研究
▽光ビート分光を利用した超高分解能ブリュアン散乱

【問い合わせ先】
計量研究所総務部業務課=〒三〇五−八五六三、茨城県つくば市梅園一−一−四 、電話〇二九八−六一−四〇四九、FAX〇二九八−六一−四〇八六


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