ホーム・計量計測データバンク2005年度計量法改正情報BOX>座談会(2007/03/14)【3】

計量制度見直し座談会
   法改正が計量士、計量事業者などにどのように影響するか

INDEX | BACK | NEXT
【3】

計量証明のデータ改ざんなど現行制度で対策

計量単位と計量法の関係

横田俊英 標準供給の拡大に関しては、計量標準がない場合でも、海外の計量標準や民間の計量標準などを使って供給範囲を拡大し、JCSS制度に組み込んでいこうということですね。
 計量単位の関係はどうでしょう。

高松宏之 「計量制度検討小委員会報告書(案)」で、国際度量衡総会の新しい単位の追加などの決定に柔軟に対応できるようにしようという方針が出されています。しかし現行法では、法律改正によって法定計量単位を追加することになっていますから、政省令で追加することができるようにするなどの法改正が必要だと思います。

横尾明幸 今回やれるのは法律改正ではなく政省令の改正で対応できるものに限られますね。

タクシーメーターやガソリン量器などで指定検定機関制度を設立することはどうなる

高松宏之 指定検定機関はどうですか。

横尾明幸 どうでしょうか。立ち上がりますかね。仕組みとしては可能だと思いますが、受け皿といいますか、これでやれる組織が実際にあるかどうかということでしょう。

横田俊英 タクシーメーターやガソリン量器などに関しては指定検定機関制度を設立することが考えれるのではないでしょうか。

横尾明幸 都道府県では検定・検査業務がやりきれないということはいろいろいわれています。

 新しいタクシーメーターはコンピューターで制御しますから、料金改定内容のデータ変更をロムの書き換えでできます。その危険の回避はプロテクターをすることでやります。そういうメーターになったので、私は、修理事業者が検定をやる方向で将来法改正がされるのかなと思っていました。東京都の場合は、従来修理事業者はタクシー会社ではありませんでしたから。

 しかし最近はタクシー会社自らが修理をするところもでてきました。そのときに修理事業者が検定をするとなると公平性や安全性をどう担保するか、という問題がでてきます。

森川正彦 修理事業者が独立してやっている分には、修理事業者を指定検定機関に指定してもいいと思います。しかしタクシー事業者の企業規模と修理事業者の企業規模にはかなりの差がありますから、どうしても修理事業者の立場が弱くなるという問題があります。しかも横尾さんが言うように、タクシー会社自らが修理もやるというふうになってきているので問題がでてきています。

計量証明のデータ改ざんに関する事件と計量法の対応

高松宏之 過当競争があると計量証明事業で起こったような問題が起こる危険性があります。

横尾明幸 しかも行政側に事業者が持っていなくてはならない能力のチェックができないとなるとなおさらです。計量証明の場合は、罰則などを厳しくしていくということで対応する考えのようです。

森川正彦 指導監督を強めるための何らかの仕組みをおかなくては難しいでしょう。

高松宏之 計量証明のデータ改ざんに関する問題は、計量制度検討小委員会の第3WGで議論されています。

 まず私は環境計量の濃度の計量証明の問題と質量の計量証明の問題(これは主にトラックスケールでの計量証明ですが)は分けて考えないといけないと思います。環境計量に関しては横尾さんが言われている、自治体による事業者の能力判定が難しいという問題などがありますから。
  「計量証明事業の信頼性の担保」に関して国はいくつかの対策を考えていますが、一つは特定計量証明制度(MLAP)を拡大して、特定計量証明事業者がダイオキシン以外の環境計量証明や、一般計量証明事業をやれるようにするという方法です。ただしこれは制度の改変ですから法律改正が必要です。もう一つは現行制度の枠内でやれる対策です。
 現行制度での対策ですが、第1に入札条件に価格以外の基準(要件)、たとえばISO9001認証など、を加えるという方法です。第2に、発注者(自治体)が契約前に、受注事業者を立入検査して、事業者の能力確認をするという方法です。第3は、先ほど話にでてきたクロスチェックです。委託した計量の一部を別事業者に二重に計量させて、結果を比較するというものです。このクロスチェックをする事業者として、(1)特定計量証明事業者(MLAP)、(2)ISO9001認証取得事業者、(3)ISO/IEC17025認定を受けた事業者、を考えています。
 このほか、行政処分や罰則の強化が考えられます。計量証明事業の登録取り消し等の基準や当面の対応方針などが第3WGで検討されています。

横尾明幸 第3WGでの国の提案のなかにも一部「予算がない場合がある」と書かれていますが、自治体の予算の問題を一緒に考えないと、みんな絵に描いた餅になってしまいます。
 事業者の立入検査などによる能力チェックにしても、自治体の多くにはその能力がありません。外部機関を使うとなると、またお金がかかります。

横田俊英 法改正をしなくても、計量証明の正確性を担保する方策をとろうとすること自体は悪いことではないのですが。実際問題としては、能力、予算などを考えると、自治体にはやれないのではないですか。

横尾明幸 登録されている事業者については、自治体は正しくチェックをしなくてはならないのです。本来はやらなければならない業務なのですが、それができているかどうか。

計量法改正は延期で仕切り直しなのか

横田俊英 計量法の法改正をやらないとなると、制度の見直しは仕切り直しということになるのでしょうか。

高松宏之 第3WGを例にとると、都道府県との協議も経て次の会合は9月頃の予定ですから法改正となると来年度も厳しいのではないですか。政省令での対応はやるでしょうが。

森川正彦 計量証明は産廃法とか食品関係事業における廃棄物管理などマニフェストがらみのニーズもあるわけで、今後その正確性の担保は重要になってきます。難しいところですね。また実際に事業をしている業者のなかには登録をしていない事業者もおりますから。

INDEX | BACK | NEXT
ホーム・計量計測データバンク2005年度計量法改正情報BOX>座談会(2007/03/14)【3】