ホーム・計量計測データバンク2005年度計量法改正情報BOX>座談会(2006/12/11)【9】

計量制度見直し座談会
   法改正が計量士、計量事業者などにどのように影響するか

INDEX | BACK | NEXT
【9】

はかり定期検査の指定定期検査機関がらみの問題点を洗う

立入検査などまで投げ捨てることになるとするのは非常に問題だ

横田俊英 計量検定所も計量検査所も、予算と人員の確保という面でいうと、ずいぶん崩壊しました。そういう面から、定期検査業務を指定定期検査機関に委譲する自治体が増えています。

横尾明幸 私は、検定とか検査の部分は委譲できるところがあるならば、委譲してもよいと思います。しかし、事業者への指導だとか立入検査などまで投げ捨てることになるとすると、そこが非常に問題だと思います。

外圧に対して反論する文書を書ける人がいなくなってきている

横田俊英 そこのあたりは、本来は行政機関の方たちが議論すべき問題ですね。

横須賀健治 今は、人事ローテーションの影響もあるのでしょうが、地方行政機関の内部から内部でやることを縮小してもよいという意見もでています。外部の人でカバーするということが必要です。

横尾明幸 今は、検定所のなかにも、そういう外圧に対してきちんとした理論を持って、反論する文書を書ける人がいません。そこをよくわからないで書くと、不備を突かれて、すぐに論破されてしまいますね。対抗できません。

 技術の継承もないですし、現在の状況に至るまでの経過、歴史を理解している人もいなくなっています。ですから、非常に判断の底が浅い文書になり、また議論になるわけです。したがって、事業者さんが検定所へ相談に訪れても、つっけんどんな対応しかできなくなります。自分たちが十分には理解できてないのですから、そうなります。

計量行政への計量士の活用は議論ではなく運動を起こすべき時期

横須賀健治 計量行政への計量士の活用ということを考えなくてはなりませんね。

横尾明幸 そのためには、計量士自身がきちんとした基本的な考え方を持って、全体で運動をしていかなくてはなりません。運動を起こしていくためには、核になる人が必要なのですが、そこが弱いですね。先ほども言いましたが、今はもはや、議論ではなく、運動を起こすべき時期なのです。

 法律のなかに計量士の活用に関して何か入れていくとなると、やはり組織が必要です。そのためには、日計振にがんばってもらいたいと思います。個人のがんばりだけではだめです。俺たちに任せろ、ぐらいのアピールが必要です。

横田俊英 昔、溝呂木金太郎氏が会長の時代に、計量士会を弁護士会のような組織にしようと運動したことがありました。計量士の資格要件に計量士会への入会が条件になるようにするということです。このときは実現はしませんでしたが。

はかりの検査に占める代検査の割合は4割ほど、台数でいうと5割くらい

横須賀健治 今、はかりの検査に占める代検査の割合は4割ほどあると思います。

横尾明幸 台数でいうと5割くらいになります。

横須賀健治 それをもっとやりましょうということで、推進していく方法もあると思います。

横田俊英 代検方式でもよいかもしれませんね。

検定所による定期検査と都計協の代検査では検査にかかる費用は同じでも料金はかなり違という矛盾を解消すべき

森川正彦 東京の場合には別の問題があります。東京都のはかりの定期検査は所在場所検査です。(社)東京都計量協会(都計協)がやっている代検査の仕事は、東京都計量検定所の仕事です。そうすると、一方で検定所による定期検査を受けるのと、都計協の代検査でやるのと、検査にかかる費用は同じでも、料金はかなり違います。これは矛盾なのです。都民の立場からいうと、これは何だということになりかねません。

横須賀健治 こういう問題もあります。たとえばわれわれがトラックスケールを1台売りますね。そうすると、該当の市町村はその定期検査をしなければなりません。そうすると、その市町村では10万円、20万円と年間にかかる費用がどんどん増えていくことになります。

岡崎稔 取引に使われないトラックスケールも検定所に届出をして、安いコストで検査をしてもらおうというユーザーもでてくるのです。本来は10〜20万円は自己負担なのです。民間修理事業者にとっては未実現の事業なのです。逆に言うと行政は廉価で仕事を取るなどして民間のじゃまをしないでほしい、ということもできます。

 それから取引証明に使うはかりかどうかという議論ですが、これは先ほどのBtoBの議論と同じで鵺(ぬえ)のようなものでどうにでもいえます。だからこの線引きについてわたしは踏み込むか、やめるかどちらかしかないと思っています。

地域の計量士さんに検査をお願いするほうが結局は安くあがる

森川正彦 これは大変なことです。自分たちが検査車を用意し、分銅を用意し、トラックの運転者、クレーンオペレーターを用意し、職員を付けてとなると、最低でも3人から4人の人間と設備をそのために確保しなければなりません。

 それを考えると、地域の計量士さんに検査をお願いするほうが、そのためにお金が少しぐらいかかっても、結局は安くあがるのです。

横田俊英 現場のことを良く知る必要がありますね。

はかりの定期検査は役所ができないことが民間でできるわけがない

森川正彦 指定定期検査機関の制度が危うい状況にあります。はかりの定期検査して言うと、規制緩和イコール民活だ、という意見もおかしいのです。役所ができないことが民間でできるわけがない。役所には予算があり、設備もあります。そして人件費はランニングコストに算入しないで定期検査の料金を算出しているのです。そういう役所でできなくなった仕事を民活だということで民間に移したところで、やっていけるわけがないじゃないですか。経費的にそもそも成り立たないのですから。

INDEX | BACK | NEXT
ホーム・計量計測データバンク2005年度計量法改正情報BOX>座談会(2006/12/11)【9】