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計量制度見直し座談会
   法改正が計量士、計量事業者などにどのように影響するか

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【8】

計量法の改正は地方公共団体の計量行政にどう影響するか

いまさら計量行政は機関委任事務へは戻らない

横田俊英 計量行政への影響はどうでしょうか。

横尾明幸 いまさら機関委任事務へは戻らないでしょう。

 平成12(2000)年に国の機関委任事務であった検査、検定、立入調査等を自治事務化したときにも規制緩和が問題になりましたが、そのときに計量法の目的の部分に国の役割、地方の役割などをきちんと書かなかったのがいけなかったと思います。

 まだ私たちのような意識を持った職員が地方にもいたこともあり、現状を維持できるだろうと漠然と思っていました。しかし、人事等の影響もあり、様相はすっかり変わってしまいました。私が一番危惧しているのは、計量に関する地方行政の役割を投げ捨てようとしていることです。計量行政の本筋は捨ててはいけません。

計量の安全の確保のために地方行政の法的根拠をきちんとつくれ

森川正彦 民活、民活と言っていますが、それはいいのです。しかし、計量の安全の確保のためにしなければならない行為のなかで、技術基準をつくったり、国際整合をはかっていくのは国がやりましょう、その他は地方の役割ですよ、といってもそれだけでは、地方行政が計量の安全の確保のためにこれはやらなくてはいけないという法的根拠にはなり得ないのです。そのためには、私は使用者義務を明確に打ち出して、国がその実効ある管理主体を「地方自治体」と定め、そのための地方行政の法的根拠をきちんとしてあげる必要があると思います。

地方がやれる根拠をきちんと示さななかったことに問題がある

横須賀健治 規制のあり方などに関して検定所のなかでもあまり議論されていないのではないでしょうか。それから役所の人事は2年ほどで人がどんどん入れ替わっていきます。適正計量の確保のために地方行政のあり方をどうするかということをきちんと考えるのではなく、ただなし崩し的に予算、人員などが縮小されていっているという印象を持っています。非常に危惧しています。やはり国が、全国で適正計量が確保できるしくみの基本をきちんと考えてほしいですね。

 私は、行政ができなくなったからといって、その役割を、安易に指定定期検査機関や地方の計量協会へ持っていって、果たしてそれで済むのだろうかと考えます。

横尾明幸 そのとおりですね。

横田俊英 設計図が不十分だということです。

横尾明幸 地方がやれる根拠をきちんと示さないで、地方分権だからということで地方に任せてきたところに問題があると思います。

事後規制では問題が起きるまでは放っておかれることになる

横田俊英 いま地方でやられている議論は、何をやる必要があるかではなく、何を捨てるかという議論ですから。

横尾明幸 現在の状況では、事後規制ということは、極論すれば、事実上は何か問題や事故などが起きるまでは放っておいてもいいんだ、ということになってしまいます。

横田俊英 地方行政機関は、立入検査等を適正計量に関わる施策としてちゃんとやりなさいということをきちんと法律に書き込むというか、義務化させなくてはならないですね。それがだめなら、法律に準ずる合意書をつくっていくとかが必要ですね。

横須賀健治 計量行政というのは技術の伝承が短期間ではできません。それが2年ぐらいのローテーションで変わっていくのでは、やっていくことはできません。

規制対象計量器が外されるごとに地方の計量行政機関の組織や人的資源はなくなる

横尾明幸 それはできなくなってきています。計量研修センターで計量教習を受けるということも義務ではなくなりましたから。検定所の名前すらなくなっている状態です。

森川正彦 このままでいくと、規制対象計量器が外されて少なくなるごとに、地方の計量行政機関の組織や人的資源はなくなっていきます。

はかりの検定も定期検査もやめると検定所も検査所もすべて要らなくなる

横田俊英 このままでいくと、極端なことをいえば、はかりの検定も定期検査もやめるということになれば、検定所も検査所も、それから指定定期検査機関や適正計量管理事業所もなくなります。

横尾明幸 全くできなくなったら、そうなりますね。

計量士だっていらなくなる

横須賀健治 いや、そうなったら計量士だっていらなくなります。

岡崎稔  計量士は別として、わたしはいささか暴論ですが全部なくなってもよいと思っています。というのは前も言いましたが「計量」から「計測」の時代です。時計や長さ計などは検定も検査もないでしょう。全部自己責任です。はかりについても非法定分野は検定も検査もありません。この分野のはかりのほうが実は規制されるはかりより何倍も多いのです。何も問題は起こっていないでしょう。

 もっといえば自動はかりはどうでしょう。野放しです。何も問題が起こっていないから検定検査はいらない、と言われているのです。歴史があるからといってそれにとらわれて取引用の非自動はかりにのみ重箱の隅をつついているように私には思えるのです。

計量士制度をやめたらという議論はこれまでも国から何度かでている

横尾明幸 計量士制度をやめたらという議論は、これまでも国から何度かでています。消費者の後押しもあって、行政ができないなら計量士がという議論もでていますが、実際にはクリアしなくてはならないなかなか難しい問題がたくさんあります。計量士がそれだけの体制をきちんと組めるかとか、計量士の高齢化など。

対象計量器の把握もだんだん難しくなってきている

横田俊英 検定等でも地方行政機関がやりきれなくなっている現状があります。定期検査でも問題は山積みですね。

横尾明幸 対象計量器の把握もだんだん難しくなってきています。

森川正彦 定期検査ではなくて、立入検査の部隊が、立入をかねて検査するということも考えてはどうかなと思います。

事後規制とは立入検査や不正事業者名の公表など

横田俊英 事後規制ということがいわれていますが、どういうことですか。

横尾明幸 報告書(案)では、具体的には立入検査や不正事業者名の公表、などが考えられています。

摘発型の行政になると実際には野放しになるのでは

横田俊英 摘発型の行政になるということですね。私は、実際には野放しになって、何か事故が起こるまで放っておくことになると思います。適正計量を確保するということは崩壊すると思います。やらない間に不正が蔓延するのです。事故が起こってから大問題にしたって遅いのです。事後規制論というのは、行政の手抜きをきれいな言葉で合理化するための理論だと思いますね。

東京都の消費者行政の方針も今は事後規制だが姉歯型の問題が計量行政でも起こるぞ

横尾明幸 東京都の消費者行政の方針も今は事後規制ですね。行政の簡素化です。姉歯問題が計量行政でも起こるぞと、私もずいぶん言ってきたのですが。

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