ホーム・計量計測データバンク2005年度計量法改正情報BOX>座談会(2005/11/17)【4】

座談会「計量法の抜本的見直し」の審議動向と私の考え方
    国民の計量の安全と計量行政の在り方を考える

INDEX | BACK | NEXT
【4】

計量行政を機関委任事務に戻せ

齊藤勝夫 私はかつてヨーロッパへ計量制度の調査に行ったことがあります。当時の西ドイツでは、計量法に商品包装に関する項目があり、そこでがっちりと基本計量義務まで課してやっていました。わが日本の計量法もそういう風にやらなくてはならない。

横田俊英 計量行政がどれだけだめになっているかという事例には事欠きません。計量行政審議会の資料では最も少ない県の計量行政に関わる職員数は4人となっています。4人で検定検査を含めた計量行政ができますか。何年か前には、特定市を返上するということがありました。やれないんですね。でも特定市である以上は県が代わりに定期検査をやることもできない。だから返上したのです。また、ある県では検定実務でも問題が起こっています、法令の規定通りやれていないという話も聞いています。こうした事態は複数の県で起きています。ここまで崩れているのです。ですから、昔のように機関委任事務に戻すのか、戻せないならそれに変わる体制をどう構築していくのか、ということになるのです。

齊藤勝夫 私は戻せといっているんです。われわれはそれこそ市民の貴重な財産を守るために、必死に努力して営々と計量制度を築き上げてきたんです。それがこういうふうに目も当てられない状況になるなどということは許せないですよ。

東京都計量検定所の組織の現状は、計量行政に従事している技術系の職員があと3年で半分(現在70人→3年後34人)定年退職でいなくなる

横尾明幸 東京都計量検定所の組織の現状は、計量行政に従事している技術系の職員があと3年で半分(現在70人→3年後34人)定年退職でいなくなります。つまり計量技術の維持ができなくなるということです。何とかしたいのですが、人事・財政当局になかなか要求できないということと、その要求のための資料等をつくれる職員がいなくなっている、という実情もあります。

齊藤勝夫 千葉県は、現在はそうひどいことになっているということはないですが、営々として32名まで大増員してきたのが、現在はどんどん減っています。指定定期検査機関ができればもっと減るでしょう。

計量行政職員は法律がどのように変わろうとしているか何も知らない、ある日突然法律が変わりましたではすまないと私は言いたい

小櫃健司 地方自治法が変わり、計量法が変わって、計量行政が自治事務になった。その時に、当時の所長さんたちがおっしゃったことが私には腹立たしいんです。検定検査業務はなくなる。これからは指導行政をやるんだ、そのための人間がこれで確保された、と言ったんです。私は何を言っているのかと思いました。これまでやってこなかったことをこれからやりますと言ったって、そんなものが財政当局で認められるわけはないでしょう。そういうことの結果がいま如実に表れていると思います。10月4日に開かれた関東甲信越計量協会・計量士会合同協議会で、私は情報公開しろと発言しました。私は、情報公開を外へ向かってするよりも、所長でしたら、まず所長は自分の部下である職員に対して、今こういう状況にあるのだということを徹底してほしかったのです。そういうことを、たとえば10月4日以降、行政当局はやったことがありますか。やってくださいと私たちがお願いしたにもかかわらず、おそらくやっていないはずです。これをやらない限り、行政がどうにもならなくなってくるのは目に見えています。職員は法律がどのように変わろうとしているかということは何も知らない。ある日突然法律が変わりました、それじゃすまないでしょ、ということを私は言いたいのです。

横須賀健治 神奈川県では突然検定所がなくなりました。カッコ書きでやっと計量検定センターという名は残しましたが。

東京都の場合は計量行政の専管部署は計量検定所と条例に明文化させたために計量検定所名は残っています

横尾明幸 東京都の場合ですが、計量検定所名の必置義務がなくなると話題が出てきたころ、そういう恐れがある、これは危ないということを当時の所長も認識していたし、私たち計量の技術職員もそう思っていたものですから、計量行政の専管部署は計量検定所であるということを条例に明文化させました。こうした対応を、先手を打ったことにより、今現在、東京都の場合は計量検定所名は残っています。

横田俊英 検定所、検査所の職員が、計量法の見直し作業の状況をほとんど知らないということは、私もある特定市の職員さんから直接聞きました。

森川正彦 私もそう思います。検定検査規則を改正してJISを引用するように変えましたね。あの時に、東京都計量検定所は、その件に関して都内の事業者に何らの説明もまだしていません。

蓑輪善蔵 昔から取り締まりの強化をということは言ってきているんです。それを、検定検査業務がなくなるから、取り締まりができるようになるなどということは絶対ないですよ。

神奈川県で計量検定所がなくなったことは全国に対する影響が大きい

蓑輪善蔵 神奈川県で計量検定所がなくなったということは、全国に対する影響が大きい。役人は、自分の身がかわいいとだめなんですよ。

齊藤勝夫 つぶれた計量行政をどうしていくかということでしたが、適正な計量を確保するために、検定というものは必要だということでした。そのために、検定所にはできるだけがんばってもらいたいが、つぶれたところはしょうがないので、最小必要限度の修理の検定は残して、指定検定機関の活用という話が出ました。これはそのまま使うのではなく、今の検定所も指定検定機関の指定を受ける。これは上、中ぐらいにランク付けして、やっていったらどうかということでした。後は立法作業の問題です。

 そこまでくれば、検定計量士というものを省令改正で発動できるでしょう。計量士の有効利用ということになれば、どういう制度のなかでこれを当てはめていくのかということが大事です。表裏一体ですよ。計量士だけを切り離して議論してもだめなんです。

INDEX | BACK | NEXT
ホーム・計量計測データバンク2005年度計量法改正情報BOX>座談会(2005/11/17)【4】