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 計量制度検討小委員会(平成17年度第3回) 議事要旨


1.日時:平成18年2月21日(火)10:00〜12:00

2.場所:経済産業省別館10階1028号会議室
 
3.出席者:
中田委員長、青山委員、飯塚委員、石井委員、今井委員、
上田委員、大野委員、小野委員、甲斐委員、梶原委員、
河村委員、桑委員、芝田委員、鈴木委員、田畑委員、
宮崎委員、宮下(茂)委員、森委員
(欠席:橋本委員、宮下(正房)委員、山?委員、吉田委員)
 
4.議題:
1 計量制度検討小委員会第2回会合議事録について
2 「計量士制度」及び「特殊容器制度」について
3 「計量単位」及び「情報提供」について
4 計量制度検討小委員会WGの骨子について
5 その他
 
5.議事要旨:
 事務局から委員の交代(矢橋委員→大野委員)及び出欠について報告の後、委員長から、今回開催の趣旨及び小委員会の公開についての説明がなされた。
 
 (1)議題1 計量制度検討小委員会第2回会合議事録について
 第2回会合の議事録(案)の確認が行われ、異議無く了承された。
 (2)議題2「計量士制度」及び「特殊容器制度」について並びに
    議題3「計量単位」及び「情報提供」について
 事務局から資料2から資料4に基づき、計量士制度、特殊容器制度、計量単位及び情報提供について説明。これらの方向性については、各委員からの意見を反映し計量行政審議会に報告することとなった。委員からの主な意見等は以下のとおり。
 
  【計量単位及び情報提供について】
  • 計量に関して消費者がクレームをもった際、それを何処に相談したらよいのか必ずしも周知徹底されていない。消費生活センター等もあるが、一般的には契約問題等に重きを置いているようであり、日常生活の計量といったことまで相談してよいのかという感じを受けている。そういう意味でも、パンフレットなどを活用しつつ、計量に関する相談窓口の存在について周知徹底していただきたい。
  • 計量単位の規制について、運用基準を公表することで透明性を確保していくとあるが、当該運用基準の妥当性はどのように担保していくのか。また、前回会合では、伝統的な尺・貫といった単位も認めて欲しいという意見もあった。運用基準の中で柔軟に対応できるようであれば、そのようにしていただきたい。
  • 計量単位の規定について、国際的な対応を迅速にとれるような仕組みについて工夫をしていただきたい。仮に、法改正の必要が生じても、おおよそ10年に1度程度しか法改正がないことから、その機会を逃して更に10年待つことになるということのないようにしていただきたい。
  • 本日配布された広報用のパンフレットはわかりやすく書かれているが、一般の方々の手には届いていないのが現状ではないか。区役所や市役所に置いてもらうなどの工夫をしていただきたい。また、インターネット上には、必ずしも正しい情報のみでなく、中には間違った情報も流れている。これついても
    ウォッチしていただきたき、教育と社会生活とつなげるような普及活動を実施していただきたい。時間はかかるが長い目できちんと情報提供を実施していただきたい。
  【計量士制度及び特殊容器制度について】
  • 計量士の更新制度について、独立行政法人が主体となるとあるが、社団法人等の民間の全国規模の組織・団体を活用することも、計量士の実態を踏まえた適切な講習等が可能となることも考えられるため、検討していただきたい。
  • 計量士が行政代行業務や適正計量管理事業所の業務を行う場合、中小企業診断士のように、全国的組織の加盟を義務付けたらどうか。これにより、計量士の実情を常に把握でき、一元的な活動を推進し活性化を図っていくことが可能となる。
  • 一般計量士を2以上の専門領域に分けられないか。計量士に求められる知識としては、法令、技術基準、標準供給制度、品質管理、国際動向、行政動向など多岐にわたる。専門領域毎に必要とする知識を定め、より高度な業務を遂行できるように誘導してはどうか。平成4年には環境計量士が濃度関係と騒音・振動関係の2区分になる等参考となる例はある。
  • 資料2 2ページ(2)8行目「強化するべく」の後に「より多くの商品量目の立入検査を実施すること」という文言を追加していただきたい。
  • 計量士の更新年数について、一般は5年、環境は3年とあるが、その理由は何か。一般計量士と環境計量士の両者の業務内容に対する責任や技術進歩に大きな差はないので、環境計量士も一般計量士と同様5年としていただきたい。
  • 国家試験事務の民間への委譲について、当該業務が定型業務であるという説明があったが、社会は計量士にどの程度の技術を要求しているのか、どの程度の質を確保しなければならないのかなど、政策的な面もある。国の関与も一定程度必要であり、今後の検討において一つの視点としていただきたい。
  • 国家試験事務の民間への委譲について、独立行政法人の活用とあるが、独立行政法人に対しては、事務の効率化、業務の簡素化などが求められている。独立行政法人に決めず、民間活用の観点から幅広く検討をしていただきたい。
  • 計量士は社会の中のキーパーソンになりうると考えている。国家試験の民間開放との関係で、社会の中で計量士をどういう位置付けにしていくのか説明して欲しい。司法制度改革では法科大学院を設けるなど国家のプロジェクトとして、それになることを目的として高校生から進んでいく道がある。計量士の在り方について検討している中にあって、キーパーソンとしてもっと中心的な位置づけをしてもよいのではないか
  • 更新制度に伴う研修の実施については、専門性を有しているという観点から実績なども踏まえつつ、民間団体の活用をお願いしたい。
 
 (3)議題4 計量制度検討小委員会WGの骨子について
 第1WG座長の飯塚委員及び事務局より資料7−1に基づき第1WGの方向性について、事務局より資料7−2−1及び資料7−2−2に基づき第2WGの方向性について並びに第3WG座長の今井委員及び事務局より資料7−3に基づき第3WGの方向性について説明。
 第1WGについて、各委員から出された意見については、当該意見をWGにフィードバックして更に検討をすることとなった。また、それを骨子に対する小委員会の議論として取りまとめ、骨子に当該意見を付して計量行政審議会に報告することとなった。
 第2WG及び第3WGについては、骨子を小委員会として支持し、計量行政審議会に報告することとなった。
委員からの主な意見等は以下のとおり。
 
  【第1WG】
  • 今回提示があったWGの骨子について、まだ関係者の意見を聴取していないところもあると聞いている。今後、修正・議論の余地があるという理解でよいか。
  • 指定製造事業者制度を再検定品・修理品まで適用できるようにすることについて、資料中括弧内に特記されている電気計器は例示にすぎず、各種計量器に共通することである。規制緩和を進めていくことに異論はないが、この点については、慎重な議論が必要。計量法の根本的な精神の空洞化してはいけない。修理品の方が新品に比べて不合格率が高く、対象となる事業者や各種の定義、修理・検査の方法等、慎重に議論していただきたい。
  • 計量法の見直しに当たっては、民間負担の軽減や経済の活性化のために、規制の対象は最小限にすべき。規制する場合にあっても民間負担の軽減を常に念頭においた、合理的かつ効率的なものとすべき。安全・安心ということに対しては、当然、最大の配慮が払われるべきであるが、被害の発生の可能性が小さいものについては、検査・検定業務を事業者自身に委ねるとの政府の方針が出されている。また、現在、国や独立行政法人が独占的に行っている検査・検定業務があるが、これらは、ともすれば非効率となりがちであるため、民間に開放すべき。安全・安心と規制改革がうまく両立するような見直しにしていただきたい。
  • 今までコストをかけて行政が行ってきたことについて、そのコストを削減するから、当該事項の監視役は消費者が担うという前提は疑問。適正計量がなされていないものについて、そのチェックを消費者全てができる訳ではないのに、それを
    チェックしなかった方が悪いというのはおかしい。ガラス製体温計を例にとると、現状が正しい姿とは決して思わないが、検定所が実施している検定の段階で、製造業者が品質管理を適切に行っていないことが原因の粗悪品を、市場に出回る前に止めていることは事実。民にできることは民にという美しい理念に沿ってさえいれば全て正しいということではなく、その結果により安全・安心が損なわれるのであれば、その理念と少し違っていても安全・安心が確保されるまで行政が実施していくといった、柔軟な考え方をとるべき。体温計について、JIS
    マークの活用という手段もあり得ると聞いているが、今まで何十年とJISマークの対象となっていなかった製品について、ある時からその対象になったとしても、マークが付いていないことをもって品質が劣っているかもしれないと判断することは難しい。指定製造事業者制度を再検定品・修理品まで適用できるようにすることに関して、電気計器について、その修理事業者は、ほぼ100%電力会社の子会社と聞いている。公平性の観点から問題があると考える。
  • プロ同士の取引・証明に関しては規制緩和してもよいが、一般消費者の日常生活に関与する部分ついては従来どおり、きちんと行政が対応していくべき。構造計算書偽装問題では、競争の原理が働かないにも関わらず、検査・検定が民に移管されている。
  • 指定製造事業者制度を再検定品・修理品まで適用できるようにすることに関して多いに賛成。平成5年に導入された指定製造事業者制度は、一定の品質管理能力を有する事業所に自主検定を認める制度であって、現在120を越える事業者が指定を受けている。それまで検定所が行っていた業務を代替しており、まさしく民間活力の活用の成功例といえる。本制度を更に維持・発展させることが計量行政に関わる規制改革・行政改革にとって重要と考える。主として初回検定のみならず、再検定品や修理品にまで適用を拡大できれば民間活用にもつながる。
  • 規制緩和は、緩くなるとかいい加減になるというイメージがあるが、本来は、厳しい基準のまま主体が官から民に移行することである。これにより不利益がもたらされるイメージがあるということは、如何に社会が安全と安心を違って捉えているかということ。安全と安心は違う。社会が何を求めているのかに応えることも重要。行政機関が実施していた検査・検定について、第三者機関による認証とするときには、当該機関をどのように管理・監督しているのかと併せて説明していかないと、信頼や安心感が得られない。監視強化を明記すべき。
  【第2WG】
  • 自治体においては、行財政改革の進展により、今後10年を見据えたときに現状の体制が維持できるか危機感を持っており、検査・検定の実施方法についても変えていかざるを得ない状況が出てくるとことが想定される。その意味で、市場による監視機能を生かしていくという点は中長期的なスパンから見たときの自治体における計量行政の将来像を示唆したもので、時宜を得たものであると考えている。
  • 検査・検定の対象は真に必要なものに絞っていただきたい。都道府県を対象にアンケートを行っており、その結果を踏まえると、今後は、これまで以上に指定検定機関や指定検査機関等の民間機関を活用することが必要ではないかと考えている。また、制度設計にあたっては、特定計量器の使用者を含む事業者、自治体及び国の責務の明確化、民間の検定機関等の責任の明確化・罰則の強化並びに自治体の立入検査の充実・強化といった枠組みで考えていただきたい。更に、離島などの特殊事情がある地域における検定等については、コストが高く経費的にも厳しいので、このような点についても配慮したような枠組みの検討をお願いしたい。
  【第3WG】
  • 計量標準の整備について、準国家計量標準制度(仮称)を創設することは非常に意味があると考える。ただ、骨子の中で、現行制度については「関係府省の研究機関と連携し」という文言があるが、新たに創設する制度に関する記述には「関係府省との連携」の文言がない。現場レベルで連携していても、担当府省に認められないことがあるため、是非追記していただきたい。
  • 産業技術総合研究所が業務を実施しやすくすることが国全体にとって有益であり、その意味で、経済産業大臣と産業技術総合研究所との権限や役割分担を明確にすることは意義がある。また、「準国家計量標準」制度においては、関係府省との連携が重要。なお、「準国家計量標準」という言葉については、もう少し工夫してもよいのではないかと思う。
  • ユーザーの需要を踏まえて計量標準の整備を進めていくことについては、経済産業省の視点では産業や経済への効果が重視されると考えられるが、計量標準は基礎研究等、学術的に果たしている役割も大きく、科学の進歩にも大きく寄与しているので、このような需要も取り入れていただきたい。
  • 産業技術総合研究所の中に国際計量研究連絡委員会が設置されており、ほとんどの関係府省、研究機関が参画し、計量標準に関する様々な事項について検討している。計量標準に関する総合調整機能を充実するためには、既存のこのような会議について、計量行政審議会とのリンクを取るなど位置づけを明確にしつつ、活用することも一案と考える。
  • 骨子にある新たな方向性は、諸外国と比較したときに、特異なものとなるのか、それとも同じような類型の国があるのか。
 
 (4)その他
 今後、各WGにおいて本日の議論を踏まえ各WGとしての報告書の取りまとめを予定。次回小委員会では、この各WGの報告書を基に小委員会としての取りまとめを行う。時期は4月下旬から5月下旬を予定。
                           以上

 
 
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