1.SIとは
"SI(エス・アイ)"とは「国際単位系」の略で、英語では"International System of Units"という。
メートル法が誕生して以来、各分野ごとにメートル法に基づいた"CGS単位系"、"MKS単位系"、"重力単位系"などに細分化され利用されてきた。しかし、産業及び学術などの国際化、情報化の進展を妨げる要因になっており、メートル法の再統一が叫ばれていた。
そこで、1960年国際度量衡総会*において1量1単位の原則に基づく世界共通の「国際単位系(SI)」の採用が決議された。
SIとは、長さ・質量・時間・電流・熱力学温度・光度・物質量の7つの単位を基本単位とし、これらを組み合わせた単位(組立単位)となっている。
国際度量衡総会*
単位と標準の国際的統一を目指すメートル条約の最高意志決定機関。
メートル条約は1875年に締結され、日本は1885年に加盟した。
2.SIの仕組み
3.SI記号の表記のしかた
● 物理量の記号は斜体で書く・・・・・・
● 単位記号は立体で書く・・・・・・・・
物理量は数値と単位で出来ている。複数形も単数形と同じとし、ピリオドはつけない。
数値を表す数字と単位記号の間には1文字分、もしくは1/2文字分の間隔を空ける。
● 接頭語と単位記号とを結合して作る合成単位記号は、 互いに不可分な新記号とみなし、
正負の累乗や他の単位記号と組み合わせる事ができる・・・・・・・・
● 2個以上の単位記号の積や除の書き方・・・・・
ただし、斜線(/)は原則1回のみ使用
● その他、間違いやすい点・・・・・・・・・
質量の単位はキログラムであり、力の単位はニュートンである。重量や荷重は力であり単位はニュートンを用いる。
力のモーメントの単位は、N・mであり、回転のトルクとして扱われる。
このとき、N・mはエネルギーの単位J(ジュール)と同じ次元を有するが、Jで表すことはない。
圧力の単位はパスカル(Pa)であり、バールも使用可能であるが、1mbarがちょうど1hPaに相当するので
気象の分野ではいち早くhPaの採用にふみきった。
誤りやすい単位記号の例
▽ 10Kg(正しくは 10kg)
▽ 30M (正しくは 30m)
▽ 60HZ(正しくは 60Hz)
▽ 50sec (正しくは 50s)
▽ 10
(正しくは 10lか10L)
4.SIの必要性
▽国際的な基準認証の統一などによるものや役務の国際取引の活発化
▽国際的な共同研究、共同開発事業の推進
▽旅行等での人の移動増大
▽工業製品の規格化を通し、生産性の向上に寄与
▽計測の正確性