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計量計測データバンク「日本計量新報」特集記事寄稿・エッセー(2015年一覧)>【矢野宏】本紙7月19日号の社説に

日本計量新報 2015年8月2日 (3067号)8面掲載

本紙7月19日号の社説に

応用計測研究所(株) 矢野宏

『日本計量新報』7月19日号の社説「自分が文化系か理科系かではなく当たり前のことを知っておく」は、きわめて大きな問題を提起した。もともと本紙の社説は大きな問題を提起するが、いわば評論家の言い放しのようなもので、もしこれを本気で受け止めようとすれば、容易ではない問題が多い。
 第2次世界大戦後の新制大学では2年生まで教養学部で学ぶことになった。これは理系・文系と専門科目にわかれる前の総合的な教育のはずであった。これは次第にあいまいなものになるが、観念としてではなく本気で総合化を考えるとなると容易なものではない。
 品質工学とはまさにこの総合化の学問である。品質工学の創始者田口玄一博士は若い頃、国会図書館で岩波の物理工学全集を読破したという話を聞いたことがあるが、これだけなら理科系である。田口玄一論説集全4巻をみるとわかるように科学、社会学、経済学と広い分野を網羅している。田口博士が多くのことをどこで学んだかは不明であるが、とにかく幅広い知識を持っていた。
 品質工学は実践の学問である。少し学べばほかの技術者の欠陥はすぐにみえるが、それでは単なる批評家である。個別の課題を具体化するのは容易ではない。そのための悪戦苦闘の毎日である。
 技術系の課題はどうにかこなせたつもりである。医学については東京慈恵会医大の中島尚登博士と肝臓病の診断の研究が成功し、ツムラとは本物の漢方薬を使った足浴の研究で成功した。
 富山高等専門学校の早川幸弘氏らと、きわめて困難な地震予測の研究を始めた。つくば地区で1時間前の予測で、新潟地震、三陸地震、宮城沖地震でも、予測の線に乗ったが、まだ誤差が大きい。専門家は見向いてもくれない。年間数百億円の予算がつく研究をコンピュータ1つで予測されては迷惑らしい。
 パワーハラスメントの裁判の判例のMTシステムによる研究を、厚生労働省の佐藤誠氏と開始したが、かなり容易でない問題のあることがわかってきた。これらの新たな研究の成果は、本年11月20日開催の第8回品質工学技術戦略研究発表大会で発表する予定である。
 総合化の困難さをしみじみと感じている。


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