計量計測データバンク「日本計量新報」特集記事計量関連団体 年頭所感(2015年一覧)>【(一社)日本環境測定分析協会会長】環境計量の今後と協会活動

2015年 計量関係団体 年頭所感

環境計量の今後と協会活動

(一社)日本環境測定分析協会会長 田中正廣

田中正廣 新年明けましておめでとうございます。
 昨秋からの円安、東日本の復興景気の先行き、アベノミクス、など国内景気状況は地域、業界、業種のなかでも曼荼羅模様が今後も続きそうな気配で安心できる経済にはまだまだなく、そのなかで関東圏では今後の東京オリンピック景気に期待を持ちすぎているのでは、といった個人的には危惧を持ちながら2015年を迎えました。
 私どもの業界・協会の状況や取り組みについてご紹介させていただきます。昨年当協会も40周年を迎え、5月23日に環境省・経産省からの来賓をお迎えして40周年記念式典を開催しました。ただ、業界そのものの状況は安心できる状況になく、3月に発行した5年に1回おこなう実態調査報告書のなかにも経営者の苦悩が浮かび上がっています。当協会の活動基盤「技術の提供」「情報の発信」「中央省庁と会員のパイプ役」「会員同士のdoor to doorができる企画」をもとに会員の方々の経営の方向性のヒントを提供できればと考えています。環境計量証明事業をキーワードに40年の経過とともに業界の事業にも変革が今まさに必要な時代にさしかかったと思われます。経営者の方の今後の舵取りは非常に大変で大切な時期となります。そういった時に何かの情報提供ができればと考えています。たとえば、環境計量とは関係ないですが「CASCO/ISO17025の改正」の内容は環境分析とともに事業展開をしている会員の方にもかなりの影響を与える可能性があることから、当協会が加入している国際団体の「UILI」を通じてCASCOへ意見・提言をおこなっていく準備を進めています。これは国が代表して参加しているCASCOでの検討とは別のチャンネルでさらに声を出していこうということであり、より速くCASCOの動向や検討内容を会員へ情報の発信していこうという取り組みです。
 厳しい業界のなかにおいて、協会自身も今後も継続的な活動のため、委員会、事務局活動を含め全体を見直す必要があり「収支改善検討WG」を発足させいろいろな成果の報告も上がってきています。これは何もかも「見直し→縮小」というのではなく、今に応じた委員会活動への脱皮と必要な委員会の設置も視野に入れております。昨年もご紹介させていただいたアスベストへの取り組みもさらに重要視しています。
 アスベストに関しては、アスベスト維新年といえるような、環境省の改正大気汚染防止法の施行をはじめ、国交省、厚労省、経産省とほぼ同時期にアスベストに絡む取り組みや法の改正をおこないました。当協会も、2013年秋から始めた偏光顕微鏡向上プログラムに加えて、今年は偏光顕微鏡による建材のアスベスト技能試験の実施を予定しております。これは、海外ではアスベスト分析者もしくは試験機関を客観的に評価するしくみがすでにあるのに日本においては遅れていることを是正するために協会として取り組んだものです。第3者によった評価結果を出すシステムを導入した試験で、1回きりでその評価が継続するのではなく、継続的に技術レベルを担保していっていることを評価していくものです。これにより信頼できるアスベスト分析機関が多くなり、しかも依頼する側がからもわかりやすい評価システムとして定着することを期待しております。
 今夏を目処に協会のホームページを完全リニュアルすべくWGをスタートさせました。会員、非会員の方への情報発信の要となる内容にと作業を進めております。ぜひ皆様からも活用していただければと思っています。
 末尾になりますが、今年も皆様からのご支援・ご指導をよろしくお願い申し上げます。

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